昨日は図書のお手伝いの日でした。久しぶりにタロのクラスへ本を運んで貸し出しの準備をしながら、授業の様子をこっそり聞きます。以下、私が聞き耳を立てて聞いたセッションの内容です。
毎朝授業に入る前に、先生を中心にあるテーマについて話し合う時間が必ずあります。昨日はどうやら、春に予定されている募金活動について話し合っていたようです。毎年学校全体で募金活動を行って、ある施設や団体に寄付するのですが、今年はどこの団体に寄付するのかvoteをして決めようということでした。担任のアリーはいくつか団体名をあげました。War Child(戦争孤児?戦争をしている国の子供たち?)、 WWF(野生動物の保護団体?)、Hospital children(病気で入院している子供たち)、そして言わずとしれたUnicef。そして、これらの支援を求める団体について子供たちに、どんな団体か聞いていきます。
「保護が必要な動物ってどんな動物?」「病院にいる子供はどんなことがしたいと思う?」「War Childってどういう子供のことをいうの?今戦争をしている国はある?」「イラク?他には?」
子供たちからの反応は少なく、みんなあまりピンとこない様子。そしてアリーが一言。
「みんな、もっと世界に目を向けましょう。自分の家の中のことだけでなく、世界のことにもっと関心を持ちましょう。今世界のどこで戦争が起こっているの?どのくらいの子供が学校に通えないでいるの?ニュースをよく見てね。わからないときはお父さんやお母さんに聞きなさい」
日本では小一のタロ。小学校の社会科では(今は生活科?)身近な社会から、少しずつ世界を広げて、地域、自分たちの市、県、そして日本、それから世界のことを学んでいった記憶があります。弱冠7歳にして『世界に目を向けよ』と教えられるタロ。
日本の新聞が扱う世界のニュースはわずか2〜3ページ。これは世界的に見て、かなり少ない部類のようです(アメリカも自国のニュースが多いとか。真偽の程は不明)。私もオランダに来るまで、オランダの地図上の位置さえきちんと把握していませんでした。欧州内での各国の関係、イスラム諸国との関係、そして欧州から見たアジア、日本。視点を変えるといろんなものが見えてきます。地域に密着したニュースの重要性は勿論、同じ地球上で他の国で一体何が起こっているのか、関心を持ち続けたいものだと、タロの授業を聞きながら思いました。
世界各国の国旗が風にたなびくマース川沿いの通り。