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オランダ滞在の二年間の間に私が知り合って、親しく言葉を交わした人たちの出身国です。数えてみたら、その数、32カ国にものぼりました。
オランダは歴史的に移民や難民を多く受け入れてきた国です。特に私たちの住んでいた街はインターナショナルで、街行く人は、生粋のオランダ人以上にイスラム系、アフリカ系、インドネシア系、中国系の人たちが多かったように思います。
息子たちが一年10ヶ月お世話になったインターナショナルスクールは、オランダに親の仕事や留学などで一時的に滞在する子供を対象としています。オランダ国内にこのような公立インターナショナルスクールは8校あるらしいのですが、私たちの住んでいる街は外国企業が多く、世界的に有名な大学があるせいか、外国からの一時滞在の家族がとても多く、それゆえ、インターの生徒の顔ぶれも国際色豊かでした。
帰国して一か月が経ち、今改めてオランダでの二年間を振り返ると、オランダで出会った人たちとの交流があってこその二年間だったとつくづく思います。上述した私が出会った人たちの国の数は32ですが、延べ人数にすると100人近くになるかもしれません。家族ぐるみでお互いの家を行き来する程親しくなった友人、生涯の友と呼べる友人も出来ました。そこまで親しくはなかったけれど、数回交わした会話の中で確かに心が通った、わかりあえた、と思える瞬間のあった人たちの数を入れるとそのくらいになるかと思います。オランダに住むことがなければ出会うことのなかった人たち。出会いというのは偶然のように思いがちですが、そこには必然性もあるのではないかと思う今日この頃…。
一期一会。人生の中でこの二年間程、この言葉の意味を強く実感した時期はなかったといえるでしょう。
留学の話を夫から聞いた時、「嫌だ」と即答した私でしたが、話し合いの末、納得の上でオランダ生活を決めました。決して楽しいことばかりでなく、むしろ、苦しんだり、悲しんだりしたことの方が多かったかもしれない二年間でしたが、今となっては、このような機会を作ってくれた夫に感謝したい気持ちでいっぱいです。
息子たち。
不慣れな土地で家の中に引きこもってしまうことも充分あり得たのに、私がそれをしなかったのは、息子たちのおかげでした。彼等がインターという未知の環境で、壁にぶつかりながらも逞しく乗り越えていく過程を目の当たりにして、私がじっとしているわけにはいきませんでした。彼等を通じて親しくなったお母さん友達は私の一生の宝になりました。
私のことを姪っ子のように可愛がり、何から何まで助けて下さったお隣のマリーンさん一家、家族ぐるみで親しくさせてもらった息子たちのクラスメイト一家、英語の話せない息子たちを優しく温かく指導してくれた学校の先生方、夫と同じ研究室仲間で苦労を分かち合った仲間たちとその家族、外国生活を支えあい、助け合ってきた周りの日本人仲間たち…..。
そしてオランダという国。
自由と寛容の国、という言葉通りの国でした。日本人から見ると成熟した大人の国に見えました。もちろん、決していいところばかりの国ではなかったのですが、帰国した今、様々な社会問題を抱える日本にいると、オランダの生活スタイル、人生における優先順位(価値観)など日本人が真似してもいいのかな、と思うところが多々あります。
オランダで出会った沢山の人たちに感謝。オランダという国で過ごせたことに感謝。いろいろ壁にぶち当たりっぱなしだったけど、なんとか健康で無事に二年間を共に過ごしてきた家族に感謝。そして日本で応援し、支えてくれた家族や友人に感謝。
そして、このブログに訪れて下さった皆さん、コメントを下さった皆さん、これまで本当にありがとうございました。
ブログでオランダ生活を記録してみようと思ったきっかけは、日本にいる友人に近況を伝えたい、という気持ちからでした。と同時に、当時外国語の環境下ですごす子供達の情報をインターネット上でなかなか見つけられなかったため、それならば息子たちの奮闘記をリアルタイムで記録してみよう、という思いもあったのです。頂くコメントの中に、「我が家も同じです」「タロくん、がんばってますね」などの言葉を見つける度に、大きく励まされ、ブログを続ける意味を見いだしながら、今日までやってきた次第です。
そんな息子たちを中心とした家族の記録も、今日で終わりです。ざっとこれまでの記録を振り返ってみると、なんだかもう夢の中の出来事のような、遠い記憶になりつつあります。でもそこには確かに踏ん張って、頑張った息子たちの姿、試行錯誤でおろおろしながらも奮闘した私の姿があります。いつかこれらの記録が私たち一家を励ます日もあるのかな、なんて思ったりもします。大事に大事に保管しておきます。
これまでブログを訪れ、励ましのコメントを下さった皆様方、本当にありがとうございました。オランダ生活が終わるまで続けよう、という目標を達成できて、ホッとしています。終わりを迎えるのは少々寂しい気持ちですが、我が家は既に日本での新たなスタートをきりました。また日々新しい出来事や出会いの連続です。一日一日を大切に、一つ一つの出会いを大切に、日々過ごしているところです。
ひょっとしたら、いつかどこかで、その後のタロジロをひっそり記録に残しているかもしれません。またいつかブログ上でお会いすることもある…かも?あるかな?
感謝を込めて See you again! Tot ziens!
Shipmaker